2階建ての家と平屋、どちらを建てるか迷っているという方も多いのではないでしょうか。前回の記事では平屋について解説しましたが、2階建ての家にも同じようにメリットとデメリットがあります。
本記事では、「もみの木ハウス・かごしま」さんの解説動画を参考に、2階建ての住宅のメリット・デメリットと、2階建ての家を新築で建てる際に後悔しないためのデメリットを踏まえた対策を解説します。
2階建ての家を建てたいと考えている方や、2階建てか平屋かで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
2階建ての3つのメリット
2階建てのメリットその1:総額を抑えることができる
2階建てのメリットの1つは、総額を抑えることができるということです。
2階建ての住宅は平屋に比べて、小さな土地・敷地で建てることができます。
具体的には土地が50坪ほどもあれば、4人家族用の2階建ての家を設計でき、車も3・4台止めることができるとのことです。
これが平屋の場合だと、最低でも80坪以上、理想では100坪以上の土地が必要になってきます。
2階建ての家はより小さな土地でも建てることができるため、土地代も含めた家を建てる総額は2階建てのほうが抑えることができます。
2階建てのメリットその2:プライバシーが守られやすい
2階建てのメリットの2つ目は、プライバシーが守られやすいということです。
平屋の家の場合、周りが2階建てだと2階からリビングや寝室を覗かれてしまうデメリットがあります。ただし2階建ての家同士であれば、周囲の家との窓と窓の干渉を避けて設計することで、お互いのプライバシーが見えないようにすることができます。
また1階と2階でプライベートな空間を分けやすいというのも2階建ての家の特徴です。
二世帯住宅でそれぞれのプライバシーを守りたいという場合にも、2階建ての家は向いているといえます。
2階建てのメリットその3:外観デザインが作りやすい
2階建てのメリットの3つ目は、外観デザインが作りやすいということです。
平屋の家の場合はどうしても水平基調のデザインになりやすいところを、2階建ての場合は縦のラインでのデザインができるというメリットがあります。
また、窓の配置なども2階建てのほうが自由にできるため、平屋の家よりも凝ったデザインができます。
家のデザインは一般的に、住んでいる人の主観よりも、家を見た第三者の意見で判断されていることが多いということです。
実例として、学校帰りの子供が家を見て「この家かっこいいね!」と言ったのを聞いて「うちの家はかっこいい家なんだ」と認識したことや、家を訪れた第三者に「なんであの屋根ああしたの?」と言われたことによって家のデザインに不満を持つようになった、というようなことがあったそうです。
第三者の意見でデザインに不満を持たないようにするためには、基本的に落ち着いたデザイン・外観にすることと、外構のポイントに緑(植栽)を入れることを意識すると良いとのことでした。
2階建ての3つのデメリット
2階建てのデメリットその1:同じ部屋数の場合、平屋より面積が大きくなる
2階建てのデメリットの1つは、同じ部屋数の平屋の家より面積が大きくなるということです。
同じ部屋数の場合、2階建てのほうが平屋よりも、階段やその接続部分の廊下、2階のトイレなどが必要になる分、面積が大きくなります。
廊下の1階部分で1坪、2階部分で1坪、それに接続部分の廊下やトイレなどが入ってくると、平屋であれば30坪の家が、2階建てで設計した場合34・5坪となっていきます。
その面積が増えた分、家の工事費が増えることになります。
とはいえこの工事費の差は、メリットその1で説明した、必要な土地の広さによる差よりも小さな差となる場合が多いです。
そのため土地も含めた総額で考えると、基本的には平屋のほうが高くなる傾向になります。
2階建てのデメリットその2:平屋に比べて地震に弱くなる
2階建てのデメリットの2つ目は、平屋に比べて地震に弱くなるということです。
2階建ての家は平屋に比べて高さがある構造のため、基本的に揺れに対しては弱くなります。
また2階建ての住宅は平屋に比べて、地震や火災の際に避難しづらいというのもデメリットになります。
2階にいるときに1階で火が出た場合、基本的にはバルコニーに逃げるしかありません。
このデメリットの対策としては、家の設計をする際に設計者としっかり話して、避難経路を決めておくことが大事です。
また家の構造体を火災が起きても燃え広がりにくい構造体である「省令準耐火」とすることと、「オール電化」にすることでそもそも火を使うことがないようにすることも、このデメリットの対策となります。
2階建てのデメリットその3:生活動線が複雑になる・生活費が上がる
2階建てのデメリットの3つ目は、生活動線が複雑になる・生活費が上がるということです。
2階建ての住宅は階段の上り下りがあり、またどうしても家の中での移動距離も平屋よりも長くなるため、生活動線が複雑になります。
また1階・2階それぞれにエアコンを付けたり、トイレを設置したりすることで、平屋の家よりも光熱費が高くなる傾向にあります。
特に階段の上り下りに関しては、70歳・80歳となってくると体力的にきつく感じる場合も多いため、2階に寝室があっても1階のリビングや和室で寝るようになり、生活動線が乱れていくという場合もあるようです。
長く住む家であれば、お子さんが出ていった後、夫婦2人で30年暮らすということもあります。将来的に生活が変わった場合でもフィットできるように、あらかじめ考えた設計としておくことも重要です。
結局2階建ての住宅はおすすめなのか?
2階建ての家にするか平屋にするか、まずは土地の広さで判断することになります。
基本的には平屋を建てられる80坪以上の土地があるのであれば平屋を建てることがおすすめです。
その上で2階建ての家を建てる場合は、例えば1階に寝室を持ってくることを前提にしたり、将来的に寝室としても使える和室などを1階につくっておくなど、長く暮らす中で家族構成が変わったあとの生活のことまで考えた設計をしておくことが重要です。
この家に誰がどれくらいの間住むのかということをよく考えて判断することで、2階建てでも長く快適に暮らすことができる家を建てることができます。
参考:竹下社長の快適家づくり通信 / もみの木ハウス・かごしま 公式