家族の健康を守る家とはどういう家なのか。住宅と健康の関係性について気になっている方も多いかと思います。
本記事では、「もみの木ハウス・かごしま」さんの解説動画を参考に、健康に暮らせる住宅の特徴について詳しく解説します。
快適で健康的な暮らしをしたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
基本は「高気密高断熱の家」であること
快適で健康的な住宅の基本として、「高気密・高断熱の家」であることが非常に重要です。
高気密・高断熱住宅であれば、家の中の温度差が非常に少なくなります。家の中の温度差が少ないと冬寒い時期の「ヒートショック」による健康被害が起こりづらくなります。
実際にイギリスで行われた実験データでも、家の中の温度が一定な家に住んでいる人ほど病気になりにくいというデータが出ています。
▼Public Health Wales「What temperature should homes be heated to for health?」
以外にも、冬のリビングの室温が最も高いのは北海道で、下記の調査では19.8℃となっています。
逆に、もみの木ハウス・かごしまさんのある鹿児島は、九州の南側であるにもかかわらず16.3℃と北海道より3.5℃も低く、冬のリビングの室温が最も低いのは香川県の13.1℃となっています。
冬の死亡増加率もリビングの室温が寒い都道府県が高くなっており(例:北海道10.3%、鹿児島県21.6%、香川県20.8%)、単に寒い地域であるかだけでなく、住宅の室温が重要であることが見て取れます。
▼NHK クローズアップ現代「家が寒くて危険?「冬の室温&死亡増加率」全国マップ」
下記の資料を見ると、ヒートショックを含む浴室内の急死者数(平成28年公開のデータ、推計)が年間約1万9000人、熱中症で亡くなった人の数(平成29年)が635人、交通事故で亡くなった人の数(平成30年)が3,522人(最新の令和6年のデータでは2,663人)となっており、いかにヒートショックで亡くなっている人が多いかという結果になっています。
▼消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(PDF)
▼厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より」
▼政府統計の総合窓口「道路の交通に関する統計 交通事故死者数について」
このような状況もあり、2025年4月の建築基準法改正によって住宅の高断熱化が義務化されることになります。
家の中の湿度も健康への影響が大きく重要です。
湿度が高いと家の中でカビが生え、カビが生えることで様々な健康被害が起こります。
カビの胞子を餌としてダニが発生し、そのダニの死骸や糞を人が吸い込むと、アトピー性皮膚炎や喘息になりやすいと言われています。
高気密・高断熱の家であれば家の中の湿度の調整を行いやすいため、カビが生えづらくなり、結果的に健康への被害も抑えることができます。
また、環境省が実施している「エコチル調査」という「子どもの健康と環境に関する全国調査」においても、妊娠中の母親がどういう環境に住んでいるかが、生まれた子どもの湿疹の発症率に関わるということが発表されています。
この結果からも、住んでいる家の環境と健康には、深いつながりがあるということが見て取れます。
▼環境省「エコチル調査とは」
▼妊娠中の室内環境要因と3歳までの小児湿疹の発症リスクとの関連:エコチル調査 (PDF)
内装材も重要
高気密・高断熱の家であることと同時に、家の内装材も重要です。
気密性の高い家であるということは、家の中の空気が密閉されるということになるので、内装材によってはそこから揮発した化学物質などが家の中に留まるということにもなります。
人体に悪影響のある内装材を選んでしまうと、「シックハウス症候群」などの影響を住んでいる人が受けることになります。
シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)は化学物質を含む建築材料以外にも、接着剤やつなぎ、塗料から揮発する場合もあるため、自然素材の内装材であったとしても注意が必要な場合があります。
自然乾燥の木材も樹種によって殺菌作用やリラックス効果などの効能がある反面、使い方や使用量を間違えると揮発する化学物質によって人体に影響を与えるため注意が必要です。
建材に関連する基準として「F☆☆☆☆(エフフォースター)」という規格があります。
F☆☆☆☆(エフフォースター)は、建材のホルムアルデヒド放散量に関する規格で、最も放散量が少ない等級を表しています。
内装材に関しては、国の基準でF☆☆☆☆の建材はホルムアルデヒド放散量が極めて低いとされているため、規制なく使用できるようになっています。
▼国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」
内装材に関する詳しい解説は、下記の記事もあわせてご覧ください。
健康住宅を見分けるには?
健康住宅を見極めるには、その住宅会社が「健康住宅」とはどういうものかということに対して答えを持っているかを見極めることが重要とのことです。
ただ「健康的な住宅です」「自然素材を使っています」というのではなく、健康的な住宅とはどういうもので、そのためにどのような意図をもってその取り組みを行っているのかが重要です。
例えばもみの木ハウス・かごしまさんの場合は、高気密・高断熱の家を建てたうえで室内の空気環境にこだわり、自然乾燥のもみの木の内装材を使用量などをしっかり計算して使用しています。
もみの木の調湿効果によって室内の湿度も50〜60%に保たれ、人体に悪影響を与えない範疇での抗菌効果や消臭効果なども発揮されるため、空気環境が良く快適で健康的な家となっています。
とはいえ、その住宅会社が実際にどのような考えやこだわりを持っているのかを判断するのは、家づくりのプロでないと難しい部分があります。
そこで有効なのが、実際にその会社で建てた家に行って、そこに住んでいる人の話を聞くということです。
住んでいる人が家と健康の関係性についてどう感じているのかを実際に聞いて話してみることで、その家を建てた住宅会社が健康的な住宅について安心して任せられるのかということも判断できるとのことです。
参考:竹下社長の快適家づくり通信 / もみの木ハウス・かごしま 公式