高気密高断熱の家とはどんな住宅?メリット・デメリットと、後悔しないための対策を解説します!

高気密高断熱住宅とは、壁や窓、床、天井などの断熱性能を高め、外気の侵入を防ぐ気密性を向上させた住宅です。これにより、室内の温度を効率的に保ち、エネルギー消費を抑えた高性能かつ環境にやさしい住まいとなっています。

本記事では、「もみの木ハウス・かごしま」さんの解説動画を参考に、高気密高断熱の家についての基本的な解説と、メリット・デメリットを対策も含めて解説します。

高気密高断熱住宅を建てた後に後悔したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

高気密・高断熱の家とは?その特徴と基準

高気密・高断熱の家」には明確な基準がありません。これは、先日紹介した国が定めた明確な基準のある「長期優良住宅」との大きな違いと言えます。

明確な基準がないため、誰もが「この家は高気密・高断熱の家ですよ」と言えることにもなってしまいます。

「高断熱な家」とは、外気に左右されずに家の中の環境が一定である家のことです。

「高断熱」であることについては、国土交通省の定めた「断熱等級」という指標があるため、これが高断熱である基準になります。

断熱等級とは:住宅の断熱性能を示す指標。1〜7の7段階で評価され、数字が上がるほど断熱性能が高くなります。

ただし「高気密」であることについては、明確な基準はありません。

「高気密」な家とは、シンプルに言うと「すき間の少ない家」。以前は「C値」(気密性能を表す指標、数値が低いほど気密性が高い)という基準で測られていましたが、現在は国土交通省の基準からこの「C値」は撤廃されています。

そのため、「高気密な家」であるという国の明確な基準は現在はないということになりますが、この「C値」自体を測ることは可能です。

いくら住宅の断熱性能を高めても、気密が低いと結局室内の空気が漏れ出てしまうので環境を一定に保つことはできません。

「高気密」と「高断熱」は、同時に施工しないとあまり意味がないということになります。

先日お話した「長期優良住宅」であれば、断熱性能や耐震性能などに規格がありその規格に則って建てられているので、基本的には長期優良住宅であれば、「高気密・高断熱の家」としての条件も満たしている場合が多いです。

 

断熱性能を図る値としては「UA値」があります。

UA値とは:1時間あたりにどれくらい熱が逃げるかを測る数値、数値が低いほど断熱性能が高い

もみの木ハウスさんでは、このUA値0.55以下という基準で家づくりをされているそうです。

 

高気密・高断熱の家のメリット

高気密・高断熱の家のメリット

高気密・高断熱の家のメリット1つ目は、家の中の環境が外気に影響されにくく、年間を通じて快適に過ごせるということです。

断熱性・気密性が高い家では、家の中の環境が外気温などにほぼ影響されないため、年間を通して快適に過ごせます

 

高気密・高断熱の家のメリット2つ目は、光熱費を節約できるということです。

断熱性能が高く、外気の影響も受けにくいということは、室内の温度を一定に保つために必要な空調のエネルギーが少なくて済むということにもなります。

しっかり施工した家であれば30坪の家でも、6畳用エアコン1台で十分に賄うことができます。

 

高気密・高断熱の家のメリット3つ目は、ヒートショックを予防できるということです。

ヒートショックとは:急激な温度変化によって血圧が上下し、心臓や血管に大きな負担がかかる現象のこと。特に冬場の暖かい部屋から寒い部屋への移動時などに起こりやすく、重大な健康被害を引き起こす可能性があります。

高気密・高断熱であれば家の中の各部屋の温度差が小さくなる(しっかり施工した家であれば2〜3℃)ため、ヒートショックを引き起こす原因である急激な温度変化が起こりづらくなります

 

高気密・高断熱の家のデメリット

高気密・高断熱の家のデメリット

高気密・高断熱の家のデメリット1つ目は、空気の循環が悪いということです。

気密性が高いということは、家の中の空気が入れ替わりにくいということになります。

基本的には24時間換気を使って空気を入れ替えるようにしますが、空気は目には見えないため計算通り動いているかは必ずしもわからなかったりもします。

換気の排気口と吸気口の間だけで空気が回ってしまう(ショートサーキット)ようなことにならないように、家の中に適切な気流を作ることが重要になります。

また、空気の循環が悪いことによって湿気が溜まりカビが生えてしまわないように、家の内装材も重要になります。

 

高気密・高断熱の家のデメリット2つ目は、建設時のコストがかかるということです。

高気密・高断熱の家は、気密性や断熱性について考えずに建てた家よりも基本的には工事費が高くなります

ただしメリットでも述べたように、高気密・高断熱な住宅では光熱費を節約できます。

家のランニングコストも含めた総コストで考えた場合、本当に安いのはどちらなのかは、家を建てる際にしっかり検証してもらったほうが良いでしょう。

 

高気密・高断熱の家のデメリット3つ目は、臭いや化学物質が溜まりやすいということです。

気密性が高いということは、家の中の「新築の匂い」のようなものが溜まりやすくなります

この臭いというのは内装材などから揮発した化学物質である場合もあるので、気をつけなければシックハウス症候群になる場合もあります。

シックハウス症候群とは:新築の家で建材から放出される化学物質が原因で起こる体調不良

内装材と化学物質の関係は、もみの木ハウスさんの壁材選びの動画でも詳しく解説されています。

 

デメリットの解消方法

高気密・高断熱の家のデメリットを解消するために、もみの木ハウスさんでは内装材にもみの木を使っています

もみの木には調湿効果があるので、空気の循環が悪く湿気が溜まりやすいという高気密・高断熱の家のデメリットを解消しています。もみの木の調湿効果によって、家の中の湿度が50〜60%に保たれているとのことです。

またもみの木には消臭効果や空気の浄化作用もあるため、家の中の臭いや有害物質を分解してくれます。

これらの効能によって高気密・高断熱の家のデメリットを解消し、逆に浄化された空気が家の中を循環するというメリットに変えています。

 

デメリットを踏まえて高気密・高断熱の家を建てるためには

これらのメリット・デメリットも踏まえた上で高気密・高断熱の家を建てるためには、内装材がかなり重要なポイントになってきます。どんな内装材をどういう理由で使うことになるのか、建設会社さんにしっかり聞くことが重要です。

また、高気密・高断熱の家を建てた経験が豊富な建築会社を選ぶことも非常に重要です。

信頼できる建築会社であるかを見極めるためには、その会社が建てた家を実際に見学に行って、そこに住んでいる人の話を聞くのが最も確実です。

高気密・高断熱の家は、そうでない家と比べて暮らしの快適性がまるで違います。快適で健康的な暮らしを実現するために、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。

 

参考:竹下社長の快適家づくり通信 / もみの木ハウス・かごしま 公式

竹下社長の快適家づくり通信 / もみの木ハウス・かごしま 公式
はじめまして、もみの木ハウス・かごしま社長の竹下です。 「快適な家づくりをしたい」「家づくりで後悔や失敗をしたくない」と思っている方々へ、このチャンネルでは私が建築歴約40年間で培った知識やスキルを活かし、皆さんのお役に立てる情報を発信して...
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