トクラスのキッチン、普及グレード「Bb」と中高級グレード「Collagia(コラージア)」(「ベリー」の後継として2022年9月より販売)。それぞれどういう特徴や違いがあるのか、キッチン選びで迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「もみの木ハウス・かごしま」さんの解説動画を参考に、トクラスのシステムキッチン「Bb」と「コラージア」について、トクラスショールームでの実例を交えつつ比較して解説します。
トクラスのキッチンに興味のある方や、「Bb」と「コラージア」のどちらを選ぶか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
「Bb」と「コラージア」一番の違いは収納
結論から言うと、「Bb」と「コラージア」の最も大きな違いは収納です。
コンロ下の引き出しで比較します。
Bbの収納は、収納扉を全開で開けた場合でも、10cmほどの引き残しが残ります。
これに比べてコラージアでは、引き出しを開けたときに引き残しがなく、奥まですっきりと全開できる仕様になっています(オーバービュー収納)。
また引き出しの中についている収納ポケットや、まな板を置く支えになるバーなどが、コラージアでは標準で付属しているのに対して、Bbではオプションになっており、標準ではついてきません。
特にコンロ下の収納ではフライパンやお鍋を収納する量が増えるため、重ねておいてしまうと取り出しにくくなってしまいます。
そこでこのような仕切り(バイダー)を側面のバーで移動・調整して固定することによって、フライパンやお鍋の厚みに合わせて調整できます。
この仕切りによってどこに何が収納されているかがわかりやすく、ご家族全員で使っても使いやすいキッチンになっています。
人造大理石カウンターについて
トクラスのキッチンの特徴といえば「人造大理石カウンター」というイメージを持っている方も多いと思います。
「Bb」「コラージア」どちらもこの人造大理石カウンターであることは共通ですが、シリーズによる違いもあります。
シリーズによる人造大理石カウンターの相違点は、キッチンカウンターが壁に付く「立ち上げ」の部分です。
「Bb」のキッチンカウンターの立ち上げは、4cmほどの高さとなっています。お掃除がしやすいよう、角のでない丸みを帯びた形状となっています。
Bbでのカウンターの立ち上げの形状は、この一種類となっています。
「コラージア」ではキッチンカウンターの立ち上げが2種類あります。
まずはBbと同じ丸みを帯びた形状のタイプです。こちらはBbに比べて段差を低くすることによって、よりスッキリとして見えるデザインになっています。
もう一種類が、立ち上げ部分が非常に高い作りになっているものです(ハイバックカウンター)。これにより壁との継ぎ目にでてくる段差をなくし、日々のお手入れを楽にしています。
キッチンカウンターの継ぎ目は汚れが溜まったりカビが生えたりしやすい場所でもありますが、お手入れがしやすい形状でその心配も少なくなっています。
人造大理石のお手入れ
人造大理石のカウンターは、お手入れも非常に楽になっています。
人造大理石の材質についてはシリーズを問わず同じ材質のものが使われているので、「Bb」「コラージア」で人造大理石のお手入れ性に差異はありません。
キッチンのシンクの中は、どうしても油汚れや着色汚れなどがでてくる部分です。またフライパンやお鍋をシンクに置きながら洗った際などに、擦り傷などができやすい場所でもあります。
ここではこの油汚れ・着色汚れや擦り傷を想定して、油性ペンでの落書きと、缶詰の角を使ってシンクにキズをつけた実験を行います。
着色汚れ・油汚れは、メラミンスポンジを使って磨くことで簡単に落とすことができます。
(実験の過程で落書きの文字が変わっていますが、同じ状況の実験です)
動画にあるように、軽く濡らしてメラミンスポンジで擦るだけで、油性ペンの文字がきれいに消えました。
同様に軽い擦り傷も、メラミンスポンジで擦ることで修復することが可能です。
より頑固な傷がついた場合や、こびりついた水垢を落とすような場合は、柔らかい部分とナイロン部分が2層になった写真のようなスポンジのナイロン部分を使って円を描くように磨くことで、修復することができます。
このような修復方法は、ステンレスなどの金属のカウンターだと擦り傷になってしまう場合がありますが、トクラスの人造大理石カウンターであれば磨いて修復しても問題ありません。
ただしナイロンスポンジ等で磨くことで、防汚性を高めるために出荷時に塗布しているマーブルワックスは剥がれてしまうため、定期的にこのマーブルワックスを塗布することで、より日々のお手入れを楽にすることができます。
ナイロンスポンジを日常的に使われていない場合は研磨粒子を含んだクリームクレンザーを使うこともできます。
またさらに頑固な傷や汚れの場合は、最終手段として水に強い紙ヤスリを使って修復することも可能です。
人造大理石の耐熱性
トクラスの人造大理石カウンターは熱にも強く、350℃までの熱に耐性があります。
一般的に炒め物や揚げ物をした後のフライパンが約200℃前後なので、これはかなりの耐熱性です。
このようにお湯を沸かしたての鍋や、空焼きしたフライパンを直接人造大理石カウンターに置いたとしても、変色したりヒビが入ったりしにくく安心して使うことができます。
ただしこの熱くなったお鍋やフライパンをとった後の作業台は非常に熱くなっているので、日常的には鍋敷きを使ってもらうことをおすすめしています。
鍋敷きを使わなくてもよいということではなく、あくまでどうしても手が空いておらずいったん直接キッチンカウンターに鍋やフライパンを置いたとしても安心して使えるように、350℃までの耐性を持たせているということです。
水栓金具
トクラスのキッチンでは、水栓金具も色々なタイプを選ぶことができます。
水栓にはたくさんの種類があり、今回ショールームで紹介いただいたものもあくまでほんの一部ではありますが、大きく分けると3種類の水栓があります。
1つ目は従来の水栓と同様の、水道水用の蛇口。
2つ目はレバーを触らずに水を出したり止めたりできるセンサーの付いた、操作性をアップさせたタイプ。
3つ目は水道水に加えて、浄水のカートリッジが付いているタイプの水栓金具です。
水栓金具を選ぶ際には、まずは使う方の身長に合わせて、手を入れ込んだときの高さの違いで選ぶのが重要です。
また、トクラスでは水栓金具自体を製造しているわけではありませんが、浄水のカートリッジはトクラス製になっています。
浄水のカートリッジは写真のサイズであれば、1日に27L使った場合で1年間使えるカートリッジになっています。基本的には1年ごとに交換すれば問題ありません。
浄水のカートリッジは水栓金具の下、引き出しの奥に取り付ける形になっています。
キッチンの形
トクラスのキッチンでは、キッチンの形も様々なタイプから選ぶことができます。
壁付キッチン
まずは最もスタンダードな「壁付けキッチン」です。壁に向かって調理をするという形になります。
「壁付けキッチン」タイプのメリットとしては、例えば壁に大きな窓を持ってくることにより、外の光や開放感を感じながら調理することができます。
またキッチンが壁についていることにより、後ろのダイニング・リビングが広くなるというのもメリットです。
壁付けキッチンタイプのデメリットとしては、ダイニング・リビングから常にキッチンが見えてしまうということと、壁に向かって調理の作業をする形になるため孤独感を感じやすいということがあります。
L型キッチン
次に紹介するのが「L型キッチン」です。
リビング側から手元を隠しつつ、腰から上の空間を開けることによって、リビング・ダイニングの様子を見ながら調理することができます。
またコーナー部分が広く取れるため、炊飯器や電子レンジを置くこともできます。
ただし先程の壁付キッチンと比べてキッチンに広いスペースを撮ることになるため、家の間取りとの兼ね合いを考えなければいけません。
フラットキッチン(アイランドキッチン・ペニンシュラタイプ)
次に紹介するのが「フラットキッチン」です。
こちらは先程のL型キッチンとは逆に手元を隠すことなく、作業スペースを広く使えるような形になっています。
キッチンの内側からだけでなく、ダイニング側からも向かい合って調理をすることが可能なので、奥様だけでなく御主人様、お子様も一緒にキッチンに立つということができるようになっています。
コンロなどの火元はキッチンの内側に近くなっていますので、お子様がダイニング側に立って盛り付けのお手伝いをしてもらうというような場合でも、安心です。写真のフラットキッチンで、奥行きが約90cmのタイプになっています。
通常であればコンロの横は壁があるタイプになっていますが、リビング・ダイニングが非常に広い間取りの場合は、今回紹介しているタイプのようにキッチン全体をぐるっと回り込める「アイランドキッチン」というタイプにすることも可能です。
ただしアイランドキッチンタイプは「コラージア」でのみ選ぶことができます。「Bb」でもフラットキッチン自体は選べますが、コンロ横に壁があるタイプ(ペニンシュラタイプ)のみとなっています。
2列型キッチン
最後に紹介するのが「2列型キッチン」タイプになります。
2列型キッチンは、リビング側に向く部分と背面側にシンクとコンロが分かれていることにより作業スペースが広く取れる、最近非常にご要望の多いキッチンになっています。
またコンロを背面側にした場合、火元を壁側に持ってくることによって煙を換気に吸い込みやすかったり、油はねを気にせず使いやすいというメリットもあります。
この2列型キッチンも先程のフラットキッチンと同じく、複数人でキッチンに立つ場合に特におすすめのキッチンとなっています。
2列型キッチンは「コラージア」でのみ用意されている形となっています。
結局「Bb」「コラージア」どちらがおすすめ?
結局「Bb」と「コラージア」のどちらがおすすめなのでしょうか。
まず、トクラスのキッチンの一番の特徴である「人造大理石」の質については、「Bb」「コラージア」どちらも差異はありません。
そのうえで、大きな違いとしては、はじめに解説した収納の使いやすさの違いと、選べるキッチンの形状の違いがあるので、これらを基準に選ぶことになります。
キッチンの形状でアイランドキッチンや2列型キッチンを選びたい場合は、「コラージア」でなければ選べないため、必然的にコラージアがおすすめということになります。
一方でキッチンの形が「Bb」でも選べるもので十分で、収納の使いやすさの違いが許容できる範囲なのであれば、「Bb」を選んでも良いかもしれません。
参考:竹下社長の快適家づくり通信 / もみの木ハウス・かごしま 公式