大分市で目指す「健康住宅」とは?
近年、「健康住宅」という言葉が注目されています。健康住宅とは、その名の通り住む人の健康に配慮した住宅のことで、室内空気の清浄さや温熱環境などに重点を置いた住まいを指します。具体的には、ホルムアルデヒドをはじめとする有害な化学物質の発生を抑え、十分な換気を確保することでシックハウス症候群を防ぎ、また断熱・気密性能を高めて一年中快適な室内温度・湿度を保つといった工夫がなされています。
日本では1990年代にシックハウス問題が社会問題化し、厚生労働省が1997年以降ホルムアルデヒドなど13物質について室内濃度指針値を策定するなど対策が進められました。その結果、新築住宅では24時間換気が義務付けられ、有害物質を抑えた低ホルムアルデヒド建材の使用が一般化し、住宅の健康対策が標準となりました。
科学的データが示す「室温」と「健康」の関係
住宅の断熱性・気密性の向上も健康住宅には欠かせません。「家が寒いと体に悪い」というのは、単なる感覚の話ではないのです。
国土交通省の補助事業である「スマートウェルネス住宅等推進事業」の調査によると、室温が18℃未満の住宅では、18℃以上の住宅に比べて心電図の異常所見がある人が約1.8倍になるなど、循環器への負担が増すことが分かっています。また、子供の健康に関しても、床付近の室温が16℃(16.1℃)未満の家では、暖かい家に比べて喘息のリスクが有意に高まることが示されています。(出典:国土交通省 健康&快適生活|家選びの基準変わります)
比較的温暖な沿岸部と、冬の寒さが厳しい内陸部・山間部を持つ大分県では、地域ごとの寒暖差への対応が重要です。特に断熱性能が不十分な家では、暖房の効いた部屋と冷え切った浴室・トイレとの温度差により、血圧が急変動して起こる「ヒートショック」のリスクが高まります。交通事故による死者数よりも、入浴中の急死者数の方が多いという事実は大分県でも例外ではありません。温暖なエリアであっても油断せず、冬の室温にもこだわった健康住宅が必要なのです。
自然素材の家とは?
健康住宅を語る上で欠かせない要素が「自然素材の家」です。自然素材の家とは、無垢材(天然木)や漆喰(しっくい)、珪藻土(けいそうど)など化学物質を含まない天然の建材を積極的に用いた住宅のことを指します。合板やビニールクロスなどの工業製品ではなく、自然由来の素材で家を建てることで、シックハウス症候群やアレルギーのリスクを低減し、安全・安心な居住環境を実現できます。
自然素材住宅でよく使われる素材には、古くから九州三大美林の一つとしても知られる「日田杉」をはじめとする県産木材や、調湿効果に優れた塗り壁(漆喰・珪藻土)、天然由来の断熱材(ウールやセルロースファイバー)などがあります。特に大分県産の木材は、美しい木目と艶、そして粘り強さを併せ持ち、構造材から内装材まで幅広く活用されています。こうした天然素材をふんだんに使った家は、人にも環境にも優しいサステナブルな住まいとして注目されています。
自然素材の家のメリット
化学物質を抑えた健康的な住環境
自然素材の家最大のメリットは、化学物質を抑えた健康的な室内環境が手に入ることです。合成接着剤や塗料に由来する揮発性有機化合物(VOC)の発生源を減らせるため、シックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こしにくくなります。
夏は涼しく冬は暖かい快適性(大分の寒暖差に適した調湿・保温)
大分県は、瀬戸内海側の温暖な地域から、内陸部の寒暖差が激しい地域まで、多様な気候特性を持っています。(出典:国土交通省 九州整備局 大分県の気候)
このような環境下では、梅雨の湿気や冬の乾燥、そして激しい寒暖差に対応できる住まいが求められます。無垢の木や土壁といった自然素材は、室内の湿度を自律的に調節する「調湿効果」に優れているため、機械換気に頼りすぎることなく、年間を通じて快適な湿度環境を保ちやすくなります。
また、無垢材には無数の空気の層が含まれているため断熱性が高く、底冷えする冬場の朝晩でも、裸足で歩いたときにヒヤッとしにくい「温もり」があるのも特徴です。 自然素材は、天然のエアコンと床暖房のような役割を果たし、一年中快適な住環境をつくってくれます。
自然素材ならではの機能性(消臭・空気清浄)
漆喰や珪藻土の塗り壁は消臭効果があり、生活臭やペット臭を和らげてくれる働きがあります。化学物質を吸着・分解する力も持っているため、室内の空気を清浄に保ち、深呼吸したくなるような空間を実現できます。
自然素材の家のデメリット・注意点
自然素材の家づくりは、一般的な建材に比べて費用が高くなりがちです。無垢材や天然塗り壁材は施工に手間がかかるため、材料費・工事費ともに増加する傾向があります。また自然素材は経年変化するため、定期的なメンテナンスや補修が必要になる場合もあります。しかし、手をかけるほどに愛着が湧き、経年美化(エイジング)を楽しめるのも自然素材ならではの魅力と言えるでしょう。
大分市で健康住宅・自然素材の家を建てるには
日本有数の林業県・大分の恵みを活かす
大分県は、古くから林業が盛んな地域であり、スギ丸太の素材生産量は全国でも上位(2023年は全国3位)に位置するなど、日本有数の木材供給県としての地位を確立しています。(出典:農林水産省 大分県の農林水産業の概要)
特に、日田市や佐伯市を中心に生産されるスギは、高品質な建築用材として県内外から高く評価されています。また、大分県は乾し椎茸の生産量でも日本一を誇りますが、これはクヌギなどの広葉樹資源も豊富であることの証であり、大分の森林環境がいかに豊かであるかを物語っています。地元で育った木は、その土地の気候風土に最も適応しており、大分の環境下でも耐久性に優れているといわれています。「地産地消」の家づくりは、輸送コストやCO2排出の削減になるだけでなく、地域経済の活性化にも貢献する賢い選択です。
県では、県産木材を使用した住宅づくりを支援するため、独自の補助制度などを設けている場合があります。大分市で自然素材にこだわった健康住宅を建てたい場合は、こうした制度に詳しい地域の工務店やハウスメーカーに相談してみましょう。大分の気候風土に合った理想の住まいがお得に実現できるかもしれません。



















